ITCガイドライン
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日本テスト学会 ITCガイドライン翻訳のためのWG主査 繁桝算男
International Test Commission(ITC)は、世界各国を代表するテスト関連の組織(主にその国の心理学関連の学協会)をメンバーとする国際的な協会であり、欧州と北米のほとんど国の組織が参加しているほか、中東や東アジアなどの国からも参加がある。ITCが2年に1度開催している大会は、テスト研究に関する代表的な発表及び交流の場となっている。また、ITCはテストに関するいくつかのガイドラインを作成し公表している。これらのガイドラインは、世界共通の画一的なスタンダードを各国に課そうという意図から提案されているのではなく、各国の組織が自国に最もふさわしいスタンダードをそれぞれに作るときの、国際的な比較基準となることを目的としている。
このガイドラインは、世界各国語に翻訳され、利用されている(現在、15か国語)。しかし、日本語への翻訳はまだ実現していない。このガイドラインの翻訳が日本のテスト研究や実践に好ましい影響を与えることに鑑み、日本テスト学会の理事会は翻訳のためのWGを発足させた。
ITCは現在8種類のガイドラインを公表しているが、WGとしては、当面の目標として次に示すガイドラインを翻訳した。翻訳したガイドラインとそれぞれを担当した日本テスト学会会員は以下の通りである。
- ・The ITC Guidelines on Test Use 渡邉誠一
- ・The ITC Guidelines on Computer-Based Testing 劉東岳
- ・The ITC Guidelines on Quality Control 荒井清佳
翻訳の作業は主にそれぞれの担当者が行ったが、WG全体として、何回も会合を持ち議論した結果の訳出である。今後、さらなる改定や残っているガイドラインの翻訳も続けたい。ITCのガイドラインの翻訳が、日本におけるテスト学や実践の発展に寄与することを願うものである。