第1回研究会

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第1回事例研究会報告

企画:渡部 洋(東京大学)

この研究会においては、お二人による事例報告があった。まず、東京女子医科大学の吉岡俊正教授により「医学系共用試験CBTの医学部における取り組み」と題して、現在臨床教育を受けるのに先立って実施されているペーパー&ペンシルタイプの試験に代わるものとして、近年試験的に導入されたCBT型のテストの実際的な側面について解説があった。このテストはいわゆる適応型ではないが、各大学における実施時期が任意であることによる利便性の他に、結果的に問題項目がブラッシュアップされることや、将来は動画も利用できる等々の利点があることが報告された。続いて、HRR株式会社の舛田博之氏から「HRRにおけるCBT開発の取り組み」と題して従来のペーパー&ペンシルタイプ検査をコンピュータ化し、さらにそれをWeb化した経緯とそれに伴なって解決されなければならなかった様々の問題について報告があった。
両者とも実に興味深い報告で、新しいテストの方向について示唆するところ大であった。また、その後質疑応答があり、その中で今後考えていくべきことも多く示唆された。例えば、受験者ごとに試験時間が異なったり問題数が違ったりすることによる不公平感をどうするか、長時間のテストの場合をどうするか、セキュリティ問題、等々である。
しかし、全体としてテストが実際に変化しつつあり、この変化の方向に後退はないという実感を得ることができた。今後も様々な問題を解決していかなければならないが、そのことにおいてテスト学会が果たすべき役割には大きなものがあると思われた。

報告内容(PDFファイル)
吉岡俊正
東京女子医科大学医学部医学教育学
医学系共用試験CBTの医学部における取り組み
舛田博之
HRR株式会社測定技術部
HRRにおけるCBT開発の取り組み