第7回講演会
第7回「日本テスト学会賞」記念講演会およびワークショップ
開催報告
研究会担当理事:小方博之(成蹊大学)
荘島宏二郎(大学入試センター)
椎名久美子(大学入試センター)
今回の記念講演会は、12月7日の午後1時から、成蹊大学14号館401室で開催されました。
前半の部では、8月に九州大学で開催された第11回年次大会の大会発表賞の発表と表彰、および同大会で授賞式が執り行われました学会賞ならびに論文賞のご講演が、プログラムに沿って滞りなく行われました。
まず、学会を代表して林規生事務局長から表彰制度の紹介があり、発表賞の発表ならびに受賞者の表彰が行われました。以下の4組の受賞者に繁桝算男副理事長より表彰状が授与されました。
セッション名 | 発表者(敬称略) | 発表タイトル |
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一般セッション1 テストの数理・等化 |
沖 嘉訓(東京工業大学・日本サイバー教育研究所) 前川眞一(東京工業大学) |
多次元項目反応理論における共通受検者の能力特性値による等化について |
一般セッション2 大学入試 |
内田照久(大学入試センター) 橋本貴充(大学入試センター) 鈴木規夫(大学入試センター) |
センター試験の受験出願動向の推移と志願者の2層構造化 |
一般セッション6 テスト形式 |
安永和央(東京大学・日本学術振興会) 齋藤 信(名古屋大学) 坂本雄士(浜松学院大学) 石井秀宗(名古屋大学) |
回答欄の字数制限が能力評価に及ぼす影響 -国語読解テストの出題傾向に着目して- |
一般セッション6 テスト形式 |
石井隆稔(電気通信大学) 舛田博之(株式会社リクルートキャリア) 仁田光彦(株式会社リクルートキャリア) 植野真臣(電気通信大学) |
項目露出率を最小化する複数等質テスト構成手法 |
次に、学会賞を受賞されました大友賢二先生から「英語教育とテスト―第二言語習得における規準設定をめぐって―」というタイトルで興味深いご講演をいただきました。まず、第二言語習得の過去から現在に至るまでの研究の流れについてご説明いただいた後、規準設定法、特にBookmark Methodについてのお話をいただきました。また、研究協力者の法月健先生より、Bookmark MethodにおけるRasch ModelとLatent Rank Theoryを併用した分割点設定法に関する解説をいただきました。
続いて、論文賞を受賞されました熊谷龍一先生には「項目に関する事前情報が十分に得られない状況における適応型テストシステム開発の試み」のタイトルでご講演をいただきました。CAT開発において予備調査コストは大きな負担となる問題があり、その低減をめざすことが研究の主旨ですが、Latent Rank Theoryによって項目難易度を大雑把にわけることでそのコストを低減する手法はとても参考になりました。
後半の部のワークショップでは、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生から「21世紀における知能検査の動向-ウェクスラー知能検査を中心に-」というタイトルでご講演をいただきました。上野先生が長年携わってこられたWechsler知能検査の歴史、および最近改訂が行われたWISC-IV, WAIS-IVの特徴を中心に、他ではなかなか聞けない貴重なお話をうかがうことができました。
今回の記念講演会の参加者数は53名で、会場が満員となる盛況ぶりでした。
報告内容(PDFファイル) | |
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大友賢二 筑波大学名誉教授 |
英語教育とテスト―第二言語習得における規準設定をめぐって― |
熊谷龍一 東北大学大学院 |
項目に関する事前情報が十分に得られない状況における適応型テストシステム開発の試み |
上野一彦 東京学芸大学名誉教授 |
21世紀における知能検査の動向-ウェクスラー知能検査を中心に- |