第5回講演会

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第5回「日本テスト学会賞」記念講演およびワークショップ
開催報告

研究会担当理事:小方博之(成蹊大学)
椎名久美子(大学入試センター)
荘島宏二郎(大学入試センター)

今回の記念講演会は、春の到来を思わせるうららかな日和の中での開催となりました。成蹊大学5号館101室において、予定通り3月22日の午後1時から開始されました。
前半の部では、大会発表賞の発表と表彰、および前年9月に岡山大学で開催された第9回年次大会で授賞式が執り行われました学会賞ならびに論文賞のご講演が、プログラムに沿って滞りなく行われました。
まず、表彰選考委員会を代表して村木英治先生から表彰制度の紹介があり、発表賞の発表ならびに受賞者の表彰が行われました。以下の5組の受賞者に柳井晴夫理事長より表彰状が授与されました。

発表賞受賞者
セッション名 発表者(敬称略) 発表タイトル
一般セッション1
教育
松宮 功(京都府総合教育センター)
荘島宏二郎(大学入試センター)
小中学校における学力の経年比較に関する調査
-項目反応理論による自治体学力テストの等化-
一般セッション2
等化
光永悠彦(筑波大学留学生センター)
前川眞一(東京工業大学)
項目プールのサイズが実施ごとに増大するような大規模テストにおける項目パラメタの更新法
一般セッション3
テストの数理
岡田謙介(専修大学) 因子数が明らかでない場合の信頼性のベイズ推定
一般セッション4
テスト理論
木村哲夫(新潟清陵大学)
永岡慶三(早稲田大学)
潜在ランク理論に基づくコンピュータアダプティブテスト
一般セッション6
テストの応用
大久保勇作(成蹊大学)
小方博之(成蹊大学)
村松大吾(大阪大学)
筋電計を用いた鉄棒逆上がり運動のスキル評価の試み

次に、学会賞を受賞されました野口裕之先生から「外国語能力試験を改定するための基礎研究」というタイトルでご講演をいただきました。野口先生が長年携わってこられた日本語能力試験について、受験者には国別の特性の差があることなど、興味深いお話をうかがうことができました。
続いて、論文賞を受賞されました石井秀宗先生から「全項目が開示されるテスト文化のもとでの得点分布の経年比較-全国テストと自治体テストのリンキング」のタイトルでご講演をいただきました。データ収集において自治体の協力を得ることのご苦労などのお話もうかがうことができました。
後半の部のワークショップでは、東京工業大学の中山実先生から「眼球情報による課題回答者の状態推定に関する基礎的検討」のタイトルでご講演をいただきました。アイマークレコーダを用いて得られた眼球情報からいかに受験者の内部状態を推定するかについて、詳しくお話をいただき、内容はたいへん示唆に富むものでした。
今回の記念講演会は年度末の開催となったこともあり、参加者は39名と例年よりも少なめでしたが、アットホームな雰囲気のうちに進行し、閉会しました。

報告内容(PDFファイル)
野口裕之
名古屋大学
外国語能力試験を改定するための基礎研究
石井秀宗
名古屋大学
全項目が開示されるテスト文化のもとでの得点分布の経年比較-全国テストと自治体テストのリンキング
中山 実
東京工業大学
眼球情報による課題回答者の状態推定に関する基礎的検討