第3回講演会

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第3回「日本テスト学会賞」記念講演およびワークショップ
開催報告

研究会担当理事:舛田博之(リクルートマネジメントソリューションズ)
豊田秀樹(早稲田大学)

師走にもかかわらず小春日和を思わせるような暖かな冬の日の午後に、数多くの方々に参加いただき、早稲田大学戸山キャンパス(36号館 382教室)にて、予定通り13時に開始されました。
東京大学の南風原先生の司会進行によって、前半の部では、今年9月に名古屋大学で開催された第7回年次大会で授賞式が執り行われました学会賞ならびに論文賞のご講演と、大会発表賞の発表と表彰がプログラムに沿って滞りなく行われました。
まず、表彰選考委員会を代表して渡部洋先生から、表彰制度の紹介と発表賞の発表ならびに受賞者の表彰が行われました。以下の5組の受賞者に柳井理事長より表彰状が授与されました。

発表賞受賞者
種 類 発表者(敬称略) 発表タイトル
口頭発表 鈴木雅之(東京大学大学院) テスト観の構造及び目標志向性・学習観・成績との関連
-テスト観を媒介にした,テストが学習者に与える影響の方向性の説明可能性-
口頭発表 大河内 二郎(介護老人保健施設竜間之郷) Rasch法を用いた認知症行動障害スケールの開発
口頭発表 宇佐美 慧(東京大学大学院) 採点者側と受験者側のバイアス要因の影響を同時に評価する為の多値型項目反応モデル
-MCMC法を用いて-
口頭発表 佐野 真(プロメトリック株式会社) 相互情報量を用いた項目識別力の過大推定の検出:実データと項目削除の効果確認
口頭発表 新井一寿(リクルートマネジメントソリューションズ)
舛田博之(リクルートマネジメントソリューションズ)
櫻井麻野(リクルートマネジメントソリューションズ)
適応型テストの回答速度と得点の関係

次に、学会賞を受賞された柳井晴夫先生から「その1因子分析の発展をめぐって」というタイトルでご講演いただきました。柳井先生が長年にわたり取り組まれた因子分析の歴史について、その世界的な流れとともに我が国の先達の偉大な足跡についてもお話いただきました。続いて、論文賞を受賞された西郡大先生には研究論文面「接試験の印象を形成する受験者の心理的メカニズム-大学入試における適切な面接試験設計をするために-」の研究内容についてご紹介いただきました。西郡先生のご講演をはさむかたちで、再び柳井先生がご登壇され、「その2因子分析Q&A」と題してご講演いただきました。会場からは質問用紙に記入された数多くの質問が集められ、柳井先生に因子分析に関する日頃の疑問に一つひとつ答えていただきました。
後半の部では、初心者向けテスト理論ワークショップとして、第一線で活躍されている3名の若手研究者にご登壇いただきました。まず、お茶の水女子大学の室橋弘人先生には「IRTのソフトウェアPARSCALEの使い方」について、続いて、早稲田大学の川端一光先生には「MCMCによるテスト項目特性曲線の計算の方法」、最後に、統計数理研究所の尾崎幸謙先生には「マルチレベルモデルにおける生徒レベルの独立変数の中心化」について、それぞれ近年話題となっている分析ツールや手法に対して具体的に踏み込んだ内容のお話をいただき、実践に役立つワークショップとなりました。
記念講演とワークショップを通して、会員以外の方も含めて80名以上の方々に参加いただき、盛況のうちに終えることが出来ました。

報告内容(PDFファイル)
柳井晴夫
聖路加看護大学
因子分析法
西郡大
佐賀大学
面接試験の印象を形成する受験者の心理的メカニズム―大学入試における適切な面接試験設計をするために―
室橋弘人
お茶の水女子大学
IRTのソフトウェアPARSCALEの使い方
川端一光
早稲田大学
MCMCによるテスト項目特性曲線の計算の方法
尾崎幸謙
統計数理研究所
マルチレベルモデルにおける生徒レベルの独立変数の中心化