ご挨拶
コロナ禍の3年間で、オンラインを活用した授業や会議など、日常の生活のなかにオンラインが広く普及してきました。また、コロナに関わる規制が緩和される時期に私たちがしばしば耳にするようになった言葉に「生成AI」があり、私たちもWebを通して利用することができますし、また、小学校の授業で活用されていたり、議会の答弁作りにも使われたりといったニュースも飛び込んできています。ICT(Information and Communication Technology)の技術革新の加速度的な進展は、テストのあり方にもさまざまな面で影響を及ぼすことは言うまでもありません。
そこで、第22回大会では、まず、テストに関わる技術革新の方向性を見据え、それを踏まえて、テストの開発や実施にどのような可能性が引き出されるのかを確認すると共に、テストを活用する立場から、テストは何のために行うのかという原点に立ち返って、活用のあり方を改めて検討していく機会をもちたいと思います。
第22回大会も、昨年に引き続き、オンラインで開催することになりました。オンライン形式は、対面式の利点をカバーしきれない限界もありますが、全国から、少しでも多くの会員に気軽にご参加いただき、最近のテスト技術革新の一端を共有していただくと共に、往々にして、結果のみが一人歩きしがちなテストの教育的な活用のあり方について意見交換の機会が持てればと考えています。 今回は、テスト結果をどう視覚的に表現するかという点で、Rを利用したチュートリアルも企画いたしました。具体的なプログラムと共に視覚的表現手法が提示されることで、日頃の教育活動やテストに関わる調査研究などにも有用な情報が提供されると思います。
一般研究発表のセッションには、テストに関わる開発研究、調査研究など、皆さんが取り組まれている研究の一端を、中間報告やアイデアのレベルのものも含めて、幅広く発信していただいて、お互いの情報交換、意見交換を通じて、研究開発の推進の原動力としていただければと思います。一般研究発表は、参加された皆さんの投票も踏まえて、表彰選考委員会で一般研究発表賞の選考が行われ表彰されます。さらに、日本テスト学会誌への投稿に結びつけていただければ嬉しい限りです。 オンライン開催という限界は自覚しつつも、その与えられた環境の下で、会員相互の意見交換や交流ができればと願っております。会員のみなさまはもとより、周囲の方でテストに関心をお持ちの方もお誘いいただき、少しでも多くの方のご参加をお待ちしております。
日本テスト学会 第22回大会 実行委員長
国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部 教授 大塚雄作