日本テスト学会第7回大会を名古屋大学で開催することになりました.東京地区
や京阪神地区と異なり会員数も少なく,お引き受けすることに一抹の不安もあり
ましたが,東海道新幹線を始め各種交通網の要衝に位置し,また,少し日常と離
れたところで研究成果の検討や情報交換をする意義も大きいのではないかと考え,
名古屋大学でお引き受けすることに致しました.大会準備委員一同身の引き締ま
る思いでおります.
本大会のテーマは「社会に貢献するテスト科学」として,このテーマに沿って,
本学会理事長の柳井晴夫先生に基調講演を,前理事長の池田央先生及び東北大学
の柴山直先生にシンポジウムを企画して頂き,また3つの企画セッションを設け
させて頂きました.
日本では今後各方面でますますテストの果たす役割が大きくなって来るものと
考えられますが,「テスト科学」は「テスト理論」の研究をする学問ではなく,
それを根本に据えながらも,具体的なテスト開発やテスト利用場面,さらには,
テストの社会的影響,テスト受験者の心理,情報技術のテストへの利用など,幅
広い研究領域を内包する学問として発展しなければならないと考えます.
そして、最終的にはひとびとのお役に立てる成果を出して行く必要があります.
学界におられる研究者のみなさま,従来から地道にテストを開発し出版して来ら
れた出版社のみなさま,新しいテスト技術で各種のテストを開発運営しておられ
る企業のみなさま,あるいは,テストを利用する教員や人事関係のみなさま等が,
立場の違い,専門領域の違いを超えて,「テストで社会に貢献する」ことをとも
に考え,議論して頂ける場を提供できれば,この上ない幸せです.
名古屋というと産業都市のイメージが強いのですが,市内には源氏物語絵巻の
一部を所蔵する徳川美術館,郊外には日本最初の京都市電(N電)の走る明治村
など,文化的な側面も併せ持っております.
暑い季節の開催となりますが,みなさま是非とも名古屋にお出かけ頂き,熱い
議論とその後の文化のかほりとをお楽しみ下さい.大会準備委員一同みなさま方
のご参加を心からお待ち申し上げております.
日本テスト学会第7回大会実行委員長
名古屋大学大学院教育発達科学研究科 野口裕之