日本テスト学会第16回大会を本年9月8日・9日の2日間,東京家政大学で開催することになりました。東京家政大学には学会に所属する教員が一名しかいないため,開催をお引き受けしてよいのか迷いや不安もありました。幸いなことに,他大学や研究所,企業等に所属する方々に加わっていただいて,実行委員会を発足させることができました。多様なメンバーが集まったことを前向きに捉え,準備を進めています。開催日は,企業等の方の参加しやすさを考えて,土・日といたしました。
テストはさまざまな場面で使われますが,それぞれのテストの存在意義を問うていくと,テストが教育・学習と本来的に不可分であることを確認できます。教育や学習の成果を総括するため,理解・習得の程度をたしかめて教育や学習に反映させるため,学習上の躓きの原因を探るためなど,教育・学習過程の随所でテストが使われます。また,テストが学習の目標や内容を規定する面も無視できません。とくに大学入試や各種国家試験など,その結果が学習者にとって大きな意味を持つ場合には,テストは教育や学習の方向性に大きな影響を及ぼします。テストを受ける側(学習者)一人ひとりの成長にとってテストがとても大切だ(人生を左右することさえある)ということを,テスト専門家は肝に銘じなければなりません。こうした思いから,本大会のテーマを「教育・学習のためのテスト」といたしました。大学入試改革に関する公開シンポジウム,ICTを利用した学習システムにおけるテストの利用をテーマにしたシンポジウムなどの開催を予定しています。
会場校となる東京家政大学は,本郷湯島に1881年(明治14年)に設立された和洋裁縫伝習所を起源とし,今年で創立137年を迎える女子大学です。東京都板橋区と北区の区境に位置する板橋キャンパスには家政学部と人文学部,埼玉県狭山市に位置する狭山キャンパスには健康科学部と子ども学部があります。テストとの関わりでいうと,多くの学生が管理栄養士,精神保健福祉士,社会福祉士,看護師などの国家試験や教員採用試験を受験します。将来的にこれに公認心理師国家試験の受験者も加わります。
東京家政大学の2つのキャンパスのうち,会場は板橋キャンパスです。JR埼京線で池袋から5分,新宿駅から10分の十条駅から10分ほど歩いていただくと,都内の大学として有数の敷地面積を持つ緑豊かな板橋キャンパスに到着します。
大会実行委員一同,皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。
日本テスト学会第16回大会実行委員長
東京家政大学人文学部心理カウンセリング学科
井上 俊哉
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