実行委員長挨拶

 このたび,日本テスト学会第15回大会を東北大学百周年記念会館・川内萩ホールにおいて開催させていただくことになりました。東北大学を開催校とする仙台での大会は,2006年の第4回以来,2度目になります。2003年に東京大学駒場キャンパスで第1回大会が開催されてから今大会で15回目の節目を迎えましたが,同一大学における複数回の開催は初となります。大変名誉なことだと思うとともに,2度目なりのプレッシャーも感じる次第です。前回も参加された皆様方にもご満足いただけるように,趣向を凝らした大会にしたいと考えています。

 思えば,前回の開催から今日に至るまでに仙台の街は大きく変わってきました。一番大きな出来事は2011年3月11日に発生した東日本大震災ということになるでしょうか。おかげさまで仙台の街中にいる限り,震災の傷跡はほとんど感じることがなくなりました。むしろ,仙台駅前の再開発によって見違えるようなきれいな街並みとなっています。今大会に直接関わる大きな変化は,何と言っても会場となる東北大学百周年記念会館・萩ホールの開館と地下鉄東西線の開通です。東北大学百周年記念会館・萩ホールは従来の記念講堂を2007年に大学創立100周年記念事業の一環として改修されたものです。特に,再設計された大ホールは,コンサートと講演会という両立が難しい機能を音響学的に追求した構造となっているそうです。一般公開となる二つのプレイベントは,ホールの性能を参加者に体感していただくことも狙いの一つとして企画いたしました。さらに,2015年12月に開通した地下鉄東西線は,仙台駅から会場のある東北大学川内キャンパスへのアクセスの利便性を格段に向上させました。仙台駅から最寄りの国際センター駅までわずか5分の近さです。小ぶりでコンパクトな車両が地上に顔を出して広瀬川を渡ると国際センター駅に到着。便利さとともに一瞬の旅情も味わっていただければ幸いです。

 大会のテーマは「『真正な評価』への挑戦」としました。基調講演にはフィンランドの大学入学試験で今年から導入される予定のCBTについて紹介していただくために,ユバスキュラ大学からラッセ・カンナス教授をお迎えします。大会テーマに込められた多義的なニュアンスの意図するところを,参加者個々人の感性によって受け止めていただければ幸いです。

 本大会が有意義な会となりますよう,実行委員一同,最善を尽くす所存です。お盆休み明けの残暑厳しい時期の開催となりましたが,多くの皆様のご発表,ご参加をお待ち申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

日本テスト学会第15回大会実行委員長
東北大学 高度教養教育・学生支援機構 倉元 直樹

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