ごあいさつ

日本テスト学会第13回大会を関西大学で開催することになりました.
学会に所属する教員の数も少なく,お引き受けすることに一抹の不安もありました.
幸いにも,広い意味での「テスト」に関係あるいは関心のある関西大学だけではなく近隣の大学の教員・研究者のみなさまからの応援を頂けることになり,大会開催への準備を進めることができました.

本大会のテーマは『「テスト学」と「教育」:理論と実践』としております.
これまでの大会でも,テストに関する理論的研究と社会に役立つテストの実践的研究に関する発表や講演・シンポジウムなどで活発に議論されてきました.
初等教育・中等教育・高等教育を担う教育機関だけではなく民間組織や公的組織などでもテストは幅広く理論的にそして実践的に研究されています.
このような広がりをみせる「テスト学」に加えて,本大会では「教育」をテーマのキーワードに入れました.
その理由は,教育の場で評価をキーとした改革が進行しているからでもあります.
例えば,GPA制度の導入,教育の質保証に関する IR(institutional research),さらには,入試制度改革という節目をむかえようとしています.
これに加えて,テストの理論と実践に関する「教育」という側面での議論の重要性も強調しておきたいと考えています.

欧米では,テストの理論と実践に従事する者は,psychometrics,educational measurement あるいは psychological testing などの領域で「教育」を受けるという伝統がありました.
私どもの学部でもささやかな試みを2014年度入学生から始めました.
心理測定法,心理アセスメント,職業指導の技術などの既存の科目を組み合わせた「心理テスト実践学習プログラム」です.
「テスト学」の理論と実践の学びの場を学部生に提供し,「テスト学」の普及に貢献できればと考えています.

大会は,阪急千里線で大阪市内から20分程度に位置している関西大学千里山キャンパスの第3学舎1号館(社会学部A棟)を会場として開催致します.
京都・神戸・奈良への交通の便も良いところに位置しています.
残暑がまだ厳しい頃の開催となりますが,みなさま是非とも大阪にお出かけ頂き,熱い議論をお楽しみ下さい.
大会実行委員一同みなさま方のご参加を心からお待ち申し上げております.

日本テスト学会第13回大会実行委員長
関西大学社会学部心理学専攻
清水 和秋